Mini Watters
ミニワッター6N6P全段差動PPアンプ
<特注電源トランス〜パワーアップ版>


<特注電源トランスの経緯など>

詳しいいきさつは省略しますが、ひょんなことからミニワッターをウィーンに送ることになりました。ウィーン国立歌劇場のチェロ奏者氏が自宅で使うことになったからです。ウィーンの電灯線の電圧は220Vですから、ミニワッターを使うためにはトランスを使って電源電圧を220Vから100Vに落とすか、最初から220V対応のミニワッターに仕立てるかのいずれかにあります。後者の方法がシンプルで美しいですから、早速、春日無線さんにお願いをして220V対応の電源トランスを作ってもらうことになりました(右画像)。

ところで、6N6P全段差動PPアンプの最初の設計はこちらの記事にあるとおりですが、ひとつ懸案事項がありました。それは、使用した電源トランスH17-04211の整流出力電圧が希望値よりも低いため設計に苦慮していたことです。初段差動回路のドレイン電圧をできるだけ低く設定するなどして、出力段では136Vくらいのプレート電圧を確保するのがやっとでした。本来は150Vくらいは欲しいところです。今回、電源トランスを特注するのであれば、1次側だけでなく2次側の仕様も変えてしまおうと考えて、2次巻き線電圧を高めに設定してもらいました。このミニワッターは年内に3台が完成し、ウィーンに発送されました。

この設計をベースにして、電圧・電流定格を若干見直して100V版を特注することにしたのが本機の電源トランスです。

関連する4つの電源トランスの仕様を以下にまとめました。H17-04211は特注扱いですが春日無線のomePage上に掲載されており、一定量の在庫があるのでいつでも購入できます。今回作ってもらったのは、H24-0101とH24-0101Eの2種類です。H24-0101については春日無線のHomePage上に掲載されており、どなたでも購入することができます→こちら

-H17-04211
(特注扱い)
カタログ品・購入可
H23-10261
(欧州仕様・特注試作)
-
H24-0101
(特注扱い)
カタログ品・購入可
H24-0101E
(欧州仕様・特注)
-
コア規格O-BS70型(30VA)O-BS70型(30VA)O-BS70型(30VA)O-BS70型(30VA)
Primary0-100V0-220V0-100V0-220V-240V
Secondary-1130V-0-130V(両波整流)
AC80mA/DC80mA
0-145V(ブリッジ整流)
AC140mA/DC88mA
0-150V(ブリッジ整流)
AC135mA/DC85mA
0-150V(ブリッジ整流)
AC135mA/DC85mA
Secondary-20-6.3V
AC1.5A
0-6.3V
AC1.5A
0-6.3V
AC1.5A
0-6.3V
AC1.5A


<出力段の設計>

出力トランスはKA-8-54P(8kΩ)を使いますので、差動PPにおけるセオリーどおりロードラインは1次インピーダンスの1/2である4kΩで引きます。出力段の設計プレート電圧は約150Vです。初期設計ではプレート電圧は136Vでしたから14Vほど高くなりました。そのおかげで初期設計で16mAどまりだったプレート電流は18mAに増やすことができました。設計最大出力は1.26倍になりますので、初期設計で実測0.9Wだったものが1.1Wになる計算です。大した違いではないのですが、パワーぎりぎりで使うことが多いミニワッターにとってはこの差が結構効いてきます。

ミニワッターは、そもそもはデスクトップなどで静かに聴くことを目的としてスタートしたアンプですが、案外これをメインシステムとして使っている方が多いという意外な展開になりつつあります。特別な大音量を求めなければ1Wも出れば十分、ということなのだと思います。6N6Pのプレート損失にはまだまだ十分に余裕がありますが、ミニワッター汎用シャーシに載るサイズということも考えながら設計していますのでこんな定数になりました。

プレート電圧=150V、プレート電流=18mAだとするとユニットあたりのプレート損失は2.7Wで、2ユニット合わせて5.4Wになります。6N6Pの2ユニット合計の最大プレート損失は8Wですからまだまだ余裕があります。この動作時のバイアスは約-5Vですが、控えめなA2級動作をさせますので、入力信号の振幅のピーク値は10Vではなく16Vくらいになります。


<初段の設計>

初期設計では、初段の電源電圧は12.1Vと13.7Vのツェナダイオードを直列にして得た約26Vでしたが、本機では16V×2として32Vにアップしています。初期設計では低い電源電圧の利用効率をできるだけ高くすることを重視したため、初段は最大出力時に2SK30Aが飽和しないぎりぎりの動作条件にしてあります。本機ではそこのところの余裕を大きくしました。また、初段差動回路のドレイン負荷抵抗を16kΩから18Ωに変更しました。その意図は、ごくわずかですが利得を増やすためです。ただ、この抵抗値=初段の出力インピーダンスとなりますので、利得を欲張って抵抗値を大きくすると高域側の帯域特性が劣化してきます。


<初段〜出力段直結の設計>

2段直結回路の電源電圧は、各段が動作のために必要とするすべての電圧の足し算になります。

  1. 初段バイアス電圧・・・0.5V〜0.7Vくらい。2SK30Aの個体ごとにばらつく。
  2. 初段ドレイン電圧・・・15〜16V。出力管をフルドライブするには11V以上であることが必要。
  3. 出力段のバイアス・・・-5Vくらい。6N6Pの個体ごとにばらつく。
  4. 出力段プレート電圧・・・ロードラインから150V
  5. 出力トランスの巻き線抵抗による電圧ロス・・・18mA×約100Ω=約2V
これら1.〜5.をすべて足すと、172.5〜173.7Vになります。これがアンプ部への供給電圧になります。最初に作った145V の電源トランスを使った実機では172Vとなりました。今後は150Vになりますので電源電圧はもうすこしだけ高くなります。

出力段カソード電圧は20〜21Vです。出力段プレート電流を18mA×2にするには、出力段の共通カソード抵抗値は560Ωがぴったりになります。また、560Ωの消費電力は0.7W〜0.8Wですので3W型の採用になります。

(20〜21V)÷560Ω=35.7〜37.5mA
(20〜21V)×(35.7〜37.5mA)=0.714〜0.788W

<電源回路の設計>

電源回路は基本的に他のミニワッターとの共通回路を採用しており、変動要素はリプルフィルタ回路の出力電圧を決定するためにMOS-FETのゲート回路に入れる2本の抵抗値だけです。動作の仕組みについては「真空管アンプの素」で詳しく説明していますが、ここにも簡単ながら説明があります。

出力段の消費電流は18mA×2/chですから、両チャネル合計で72mAになります。初段差動回路の消費電流は約1.8mA/chですので、両チャネル合計で3.6mAです。初段電源回路のツェナダイオードに流す電流は2.8mAくらいです。これ以外にも330kΩに流すブリーダー電流や、ごくわずかですが1.5MΩに流れる電流もあります。これらを合わせると78〜79mAくらいになります。

マイナス電源は初期設計と同じで、回路電流のリターンを流用した擬似マイナス電源方式です。リターン電流は75mAくらいなので、56Ω2Wを入れて約4.3Vのマイナス電圧を得ています(欧州版は51Ωでした)。


<全回路図>

特注の電源トランスに対応した最新版の全回路図です。


<アンプ部解説>

ボリュームの回転角と音量のバランスを調整するために、ボリュームのところに補助抵抗(51kΩ)を入れてあるのは他のミニワッターと同じです。この抵抗はなくてもかまいませんが、入れることで12時ポジションでの音量が通常のボリュームよりもすこし大きくなります。抵抗値は47kΩ〜100kΩくらいで厳密さは要求されません。Maxポジションでの感度は変わりません。

ボリュームと初段2SK30Aのゲートの間に0.33μFのコンデンサが追加されています。これは、DC漏れのあるソース機材をつないだ際に、出力段プッシュプル回路のDCバランスが狂ってしまうのを回避するためです。たとえば、プリアンプやCDプレーやの出力にDCオフセットが10mV生じているだけで、せっかく調整した出力段のプレート電流バランスが3mAも狂ってしまいます。シングルアンプや一般的なプッシュプルアンプでは大して問題にはならないのですが、差動直結回路ならではの弱点です。

初段電源に電圧をドロップさせる抵抗は22kΩ/5Wが適しますが、5W型で10kΩ以上の抵抗値のものはなかなか売っていないので、33kΩ/3Wと68k/2Wを並列にして所定の値を得ています。初段の電源は2個のツェナダイオード(16V×2)によって簡易的に定電圧化してあります。32Vが得られればいいので、ツェナダイオードの電圧に組み合わせにはこだわりません。

出力段のプレート電流値を揃えてDCバランスをとるための調整は、初段差動回路のソース側の半固定抵抗器(100Ω)で行いますが、本機では150Ωの抵抗を2本追加しています。こうすることで回路の信頼性が高くなるのと、微調整がやりやすくなりました。厳密に150Ωである必要はなく、100Ω〜220ΩくらいのあるものでOKです。

出力管(6N6P)のピン番号(1、2、3、6、7、8)と出力トランスのケーブルの色(赤、黒、灰、青、黄、白)の関係は厳密に守ってください。これ間違えると正帰還による発振が生じて、スピーカーから「ギャーッ!」というけたたましい音が出ます。

出力トランスの8Ωと4Ωの2本の線を出してスピーカー端子につないでいます。負帰還定数(560Ωと68Ω)は8Ω側からかけたものとして設定してあります。なお、6Ωのスピーカーをお持ちの場合は4Ω端子につないでください。


<電源部解説>

電源トランスに全負荷を与えた時の整流出力電圧(X-Y間)は192〜197Vで、これを56kΩと1.5MΩで分圧して2SK3767の簡易リプルフィルタを入れ、擬似マイナス電源にまわす4V(後述)を引くと、アンプ部に供給する電圧は177〜182Vくらいになります。2SK3767の消費電力は、11V×約80mA=880mWですので小さな放熱板を取り付けます。これがあるのとないのとでは、2SK3767の表面温度は10℃くらい違います。

2SK3767のソース側に10μF/250Vのコンデンサが追加されています。これは初期設計の回路にはなかったものです。2SK3767を使った簡易リプルフルタの電源インピーダンスは10kHz以下の帯域ではフラットですが、20kHz以上ではどんどん上昇してゆくのでそれを止めるためのものです。このコンデンサの存在が微妙に音に影響を与えることがわかったので入れることにしました。適切な容量は1μF〜22μFくらいの範囲で、フィルムコンデンサでもアルミ電解コンデンサでもかまいません。欧州(ウィーン)版では1μF/250Vのフィルムコンデンサを入れていますが、これから作る版では10μF/250Vのアルミ電解コンデンサにする予定です。

マイナス電源は、出力段のプレート電流と初段電源に流れる電流の一部を足したもののリターン電流を流用した擬似マイナス電源です。56Ω2Wに77mAほど流して-4.3Vほどを得ています。

ヒーター電源は特に説明を要するものは何もありませんが、LED点灯回路がちょっと変わっています(動作のしくみは「真空管アンプの素」で説明しています)。


<製作と調整>

作業の順序:

  1. シャーシ追加工の穴あけ・・・最低限必要な穴は追加する穴は、電源ユニット取り付け穴(3.4mm径×2)です。それ以外に、スピーカーのインピーダンス切り替えスイッチ(6mm径)、入力切替ロータリースイッチ(9mm径)などご自身の設計に合わせて穴あけを済ませておきます。穴あけの位置決めでは、他の部品と接触しないこと、トランスカバーなどを固定するビスの邪魔にならないことなど注意してください。シャーシのボリューム用の穴と入力端子(RCAジャック)用の穴の内側はサンドペーパーがけをして塗装をはがしておきます。

  2. 音量調整ボリュームシャフトの切断・・・金鋸でボリュームシャフトを適当な長さに切断します。ツマミの内側に加工時のバリが出ている場合は、そこにひっかかってボリュームシャフトが入りませんので、細いやすりを入れて削り取ります。

  3. 平ラグユニット上の部品取り付けとジャンパー線の配線・・・ダイオードや2SK30の取り付け向きに注意してください。20P平ラグのセンター穴まわりは、配線を終えてからスペーサを取り付けるのは難しいので、先に取り付けてから配線すると作業がやりやすいです。特に560kΩの抵抗はスペーサをまたぐように取り付けますので手順をよく考えながら作業してください。勢いで作業を進めると後で泣きます。
    電源ユニット側は、配置上後から線をつなぐのは難しいので、周囲とつなぐ線はあらかじめすべて取り付けておきます。アンプ側ユニットの線出しは後からでも可能なのと電源ユニットから来る線を受け入れる側なので、線出しは必要ありません。

  4. 音量調整ボリューム上の抵抗器の取り付けと線出し・・・音量調整ボリュームからは全部で6本の線が出ますので、これらはあらかじめ線出しをしておきます。入力端子行きの線は余裕をみて長めにしておきます(捻るとかなり短くなります)。

  5. 電源スイッチのLED部分への部品取り付けと線出し・・・LEDまわりは、並列逆向きのダイオードと直列に入れる抵抗器の配線があります。下に参考画像があります。熱収縮チューブは、普通のドライヤーでは無理で専用のヒーターが必要ですが、45W以上のハンダごての腹であぶるとうまく縮んでくれます。

  6. RCAジャックのアースリングの事前加工・・・RCAジャックのアースリングはナット締めの際にくるくる回ってしまって厄介です。そこで、前加工してL/Rの2個をつないでしまいます。右画像は、パネルを流用してRCAジャックを逆向きに取り付け保持し、アースリングの端子部分を折り曲げてすきまにハンダを流し込んでで接着しているところです。このようにつないでしまえば、ナットで締め付ける時に回転したりしません。

  7. シャーシへの主要部品の取り付け・・・ACインレット、ヒューズホルダー、入出力端子、真空管ソケット、真空管ソケットまわりのラグ板、電源トランス、出力トランスをシャーシに取り付けます。音量調整ボリューム、電源ユニット、アンプ部ユニットはまだ取り付けません。RCAジャックは、8〜9mm径の菊座金をかましておくと接触が確実かつナットの締りがいいです。

  8. AC100Vまわりおよびヒーター回路への配線と通電試験・・・ACインレット、ヒューズホルダー、電源スイッチ、電源トランスの100V側の配線を行い、ヒューズを入れて最初の通電試験を行います。結線は下図を参考にしてください。描画上の都合で線を並行させていますが、ハム対策として実際の配線では往復を捻ることをお忘れなく。電源トランスの各端子に定格よりもやや高めの電圧がきていることを確認します。それがOKになったら、6.3Vのヒーター回路を配線します。電源トランス(6.3V)→真空管ソケットの4,5ピン→真空管ソケットの4,5ピン→LED回路、の順に配線してゆきます。真空管を挿して通電試験を行います。LEDおよびヒーターがほどよく光ることを確認します。

  9. 電源ユニットの取り付け、電源トランスへの配線・・・2個の出力トランスから出ている黒色の線を1つにしてから電源ユニットにつなぎ、電源ユニットをシャーシに取り付けます。電源ユニットと電源トランスの150V巻き線をつなぎます。出力トランスの1次側から出ている灰色と赤色の線は捻ってから真空管ソケットの1番ピン(灰)と6番ピン(赤)につなぎます。

  10. 電源ユニットの通電試験・・・電源ユニットから引き出したまだどこにもつないでいない線が何かに接触しないように先端にテープを巻くなどして通電試験を行います。電源ON時にテスターを当てておく箇所は「V+〜GND間」がいいでしょう。電圧は電源ON後数十秒をかけてゆっくり電圧が上昇すること、ヒーター回路にはやや高めの電圧(約6.4〜6.6V)が出ることを確認します。アンプ部にまだ電流が流れていないので、マイナス電源には−0.03Vくらいしか出ません。この通電試験がOKでない場合は、決して次の作業には進まないでください。違反してトラブルが生じて掲示板でヘルプを請うても助けることができません。

  11. 真空管ソケットのセンターピンをつなぐアース母線の取り付け・・・本機の場合、アースは母線というほどのものはないのですが、アースを1ヶ所でまとめた方が作りやすいのと、どのみち真空管ソケットのセンターピンはアースしなければならいので、「コ」の字型に曲げた銅線を使ってアース母線としています。ここで、各真空管ソケットの9番ピンとアース母線とをつなぎます。また、ヒーター回路のどこか一点とアースとをつなぎます。どこでもいいので配線しやすい一か所を選んでください。私は、前寄りのソケットの4-pinとセンターピンを細い銅線でつないでいます。

  12. 真空管ソケットまわりの部品取り付けと配線・・・まず、グリッドに取り付ける4個の3.3kΩの配線をします。その際、平ラグとつなぐ線も出しておくと後が楽です。下に画像がありますから参考にしてください(緑色の線)。ちなみに頒布している線材には緑色はありません(適当ですなー)。次に、カソードに取り付ける4個の3.3Ωと560Ω3Wを取り付けます。

  13. アンプ部ユニットの取り付けと真空管ソケット側および電源ユニットとの接続・・・アンプ部ユニットを取り付けます。電源ユニットから出ているV+とV-をつなぎます。アースは、「電源ユニット→アンプ部ユニット経由→アース母線」とすると配線がやりやすいです。あらかじめ真空管ソケット側から出しておいた4本の線をアンプ部ユニットにつなぎます。

  14. 最終通電試験・・・ここまでの配線がすべて完了していれば、音は出ませんが真空管を挿した状態ですべての回路に電流が流れる通電試験ができます。但し、上記8.および10.の通電試験がOKであることが条件です。DCVレンジにセットしたテスターで、出力段カソード抵抗(560Ω)の両端電圧が測定できる状態にして電源をONします。電圧が徐々に上昇して21V前後で落ち着けばひとまずOKです。もし19V以下あるいは23V以上だったら必ずどこかに配線の漏れやミス、ハンダの不良があります。

  15. 出力段のDCバランスの暫定調整・・・この状態でしばらく通電して動作が安定しているかどうかチェックしておくといいです。DCVレンジにしたテスターで回路図でいうところの「A点〜B点」間の電圧を測定します。ほとんど0Vの場合もあれば0.02Vくらいが生じていることもあります。100Ωの半固定抵抗器を調整して0.003V以下すなわち3mV以下となるようにします。時間が経つと変化しますし、風が当たっても変化しますので無理して1mV以下に押さえ込もうとしても無駄です。

  16. 入力端子〜音量調整ボリューム〜アンプ部ユニット間の配線・・・音量調整ボリュームを取り付けます。パネルとの間に8〜9mm径の菊座金をかますことでボリュームのシャフト部分とシャーシとの接触が確保されます。音量調整ボリュームから引き出してある線を、入力端子(RCAジャック)およびアンプ部ユニットにつなぎます。この時、入力端子(RCAジャック)への線が浮いてしまわないように、ピタックなど配線の固定具を使ってもいいです。私は5P立てラグの空いた穴を使って固定しています。

  17. スピーカー関係の配線・・・出力トランスから出ている白(0)と青(8Ω)の線は、アンプ部ユニットの端子を経由してからスピーカー端子につなぎます。黄(4Ω)を生かす場合はアンプ部ユニットを経由せずにスピーカー端子につなぎます。

  18. 最終チェック・・・「アース母線」と「アース」とつながっていなければならないすべてのポイント間の導通をチェックします。シャーシ、RCAジャックの外側、スピーカー端子の黒い側、ボリュームシャフト、ヒーター回路など。

  19. 音出しと最終のプッシュプルDCバランス調整・・・これで完成です。音楽など聞きながら、時々シャーシを横に倒して出力段のDCバランスの状態を監視しつつ、最終調整をします。シャーシを完全にひっくり返してしまうと、真空管の熱があがってきて2SK30Aの温度が不安定になるので、横倒しでの調整をおすすめします。


<参考画像>

この画像は、欧州(ウィーン)版のものです。上記の回路図とは細かいところで違いますのでご了解ください。左から・・・

・全体の様子です。本ページの回路図にないもの・・・入力切替のロータリースイッチやスピーカーのインピーダンス切り替えスイッチ・・・が写っています。

・電源スイッチ内臓LEDまわりの配線です。LEDと並列&逆向きにダイオードを取り付け、回路と直列に入れる560Ωの抵抗器はスイッチの端子にじかづけした上で熱収縮チューブをかぶせてあります。

・入力のRCAジャックおよびスピーカー端子付近の様子です。入力切替用のロータリースイッチでは、2回路ずつ並列接続して接点の信頼性を高めてあります。余った回路はアースにつないであります。スピーカー端子につながる線は3本あり、白がアース、黄色が4Ω、青が8Ωです。

・真空管ソケットまわりの様子です。プレート配線(1-pinと6-pin)は端子を倒して隣のピンから離してあります。ヒーター配線(4-pinと5-pin)は線が太いので接触しやすいので注意がいります。0.3sq(AWG22)のケーブルがぎりぎりでこれ以上太いと仕上げに苦労します。

・後面パネルの配置です。文字は根性の手書きです。スイッチの位置を間違えると、トランスカバーを固定するビスが回せなくなります。


<測定>

電源トランスを最適化したことで若干ですがパワーアップしています。それ意外はほとんどいじってませんから、最大出力が増えたこと以外は同じといっていいでしょう。違いがあるとしても、球やトランスのばらつきの範囲内ではないかと思います。特性的には申し分ない内容です。


<参考・・・欧州(ウィーン)版全回路図>

220Vの電源電圧に対応した欧州(ウィーン)版の全回路図です。電源トランスは、1次側が220V対応で2次側は145Vのものを使っています。入力切替スイッチやスピーカーのインピーダンス切り替えスイッチがあるなど、こまかいところで異なっていますが音は同じです。



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