私のアンプ設計マニュアル / 工具と製作編
ユニバーサル基板工作 (TAKASUの基板を使った工作ヒント集)

使用するユニバーサル基板はこれ

TAKASUのIC-301シリーズを使います。このシリーズは、(1)電源やアースライン用のラインが張り巡らされている、(2)穴が3つずつつながっているという特殊なパターン構造を持っています。実はこのパターン構造がこのタカスのユニバーサル基板を素晴らしいものにしているのです。


裏面でリード線を折り曲げたくない、這わせたくない

ユニバーサル基板は碁盤の目状に開けた穴の周囲にだけ丸く銅箔のランドが貼ってあるのが一般的ですね。この構造のユニバーサル基板を使う場合、穴と穴とがつながっていませんから、配線するためには穴と穴とつなぐように裏側に線を当てて這わせなければなりません。ほとんどの方は裏側に飛び出した抵抗器や半導体のリード線を折り曲げて、隣の穴とをつなぐ線として使っていると思います。

しかし、この方式ですと、

(1)何らかの事情で一旦取り付けた部品をはずしたくてもはずすことができない
(2)一か所に太い線が集まると不格好なハンダの山ができてしまい
(3)隣のランドと接触しやすくなる
(4)いじっているうちに銅箔がはがれてしまう
という厄介なことになります。つまり作業性も信頼性もよろしくないわけです。


TAKASUのIC-301シリーズを生かした使い方

私の配線の流儀では、隣り合うランドとランドをつなぐ場合はホチキス型に加工した0.28〜0.3mm径の銅線(※)をジャンパーとして使い、上から穴に通してから裏側で先を折り曲げています。抵抗器やコンデンサのリード線は一切曲げずにまっすぐのままハンダづけします。こうすることで部品の交換が容易になります。穴の直径は1mmありますが、ジャンパー用の銅線の直径が0.28〜0.3mmで、抵抗器などのリード線の直径が0.5〜0.6mmですので、1つの穴に両方の線が共存できます。ここにハンダを流し込むのでスルーホール基板のように線と線との接触面積が大きくなり、導通抵抗が下がるだけでなくハンダ不良もなくなって信頼性が向上します。

※表面にポリウレタン等の絶縁処理をしていない裸の銅線を使います。0.28mm径の銅線は、厚さ35μで幅1.8mmの銅箔と同等の抵抗値を持ちます。ホームセンターやamazon等で一袋15mを200円程度で買えますが、うまく入手できない方のために頒布もしています。
下の画像はジャンパー線を這わせて部品実装の下準備をしている例です。どんな感じでやっているのか画像からイメージをつかんでください。隣合う2つの穴をつなぎたい場合は小さくくるりと一周させます。離れたところをつなぎたい場合は上側を通してつなぎます。銅線が細いのでアルミ電解コンデンサなどが乗っかっても邪魔になりません。

←クリックで拡大。

ハンダごては30Wくらいで先が細くテーパーした標準タイプを推奨します。ハンダは標準(1mm径)よりも細め(0.8mm)の方が作業性が良いです。ジャンパー線を通した穴には、ジャンパー線しか通さない穴と、ジャンパー線だけでなく同じ穴に後から半導体やCR類のリード線も同居する穴の2種類があります。ジャンパー線しか通さない穴は今のうちにハンダづけできます。

上記の基板を使って完成したのがこれです。このユニバーサル基板をうまく使うとこれくらいの実装密度が得られます。


IC-301-72の設計パターン紙

IC-301-72を使った設計用のシートのpdfを作りましたのでダウンロードしてご活用ください。
http://www.op316.com/tubes/tips/data/takasu-72.pdf

こちらは、2013年に発生した表側のシルク印刷ミスの版に対応した変換表示付きです。
http://www.op316.com/tubes/tips/data/takasu-72-error.pdf

←この画像は縮小サンプルなので解像度が低く粗いです。


IC-301-74の設計パターン紙

IC-301-74を使った設計用のシートのpdfを作りましたのでダウンロードしてご活用ください。
http://www.op316.com/tubes/tips/data/takasu-74.pdf

←この画像は縮小サンプルなので解像度が低く粗いです。


・・・

私のアンプ設計マニュアル に戻る