私のアンプ設計マニュアル / 基礎・応用編
5.コンデンサ値と計算
コンデンサの容量は、
「F(ファラッド)」
で表します。しかし、「F(ファラッド)」という容量は非常に大きく、オーディオアンプで使うコンデンサはその百万分の一の「μF(マイクロファラッド)」やそのまた百万分の一の「pF(ピコファラッド)」で表記します。

1F=1000,000μF
1μF=1000,000pF
0.001μF=1000pF
の関係があります。1000pFと0.001μFは同じ意味です。電解コンデンサの容量は「0.1μF〜数万μF」くらいで、フィルム・コンデンサでは「100pF〜数μF」くらいの範囲のものが作られています。


合成容量値の計算

こんどは2本以上のコンデンサが組み合わさった状態での合成容量値の計算です。これも単純に「直列」の場合と「並列」の場合に分解して計算してゆきます。

「直列」の場合:

抵抗と反対で、コンデンサでは直列の場合が「掛けた結果」を「足したもの」で割る、になります。

C=(C1×C2)/(C1+C2)
しかし、一般にはコンデンサの直列使用はまずやりません。0.1μFが必要な時、より大型の0.22μFを2個直列にするまでもなくより小形の0.1μFで足りるからです。しかし、回路や部品の都合でこのような使い方もありえますので覚えておいてください。

「並列」の場合:

これは簡単です。ただ足し算すればいいだけです。

C=C1+C2
コンデンサの並列使用は頻繁に行われます。平たいケースに入れたい場合には、1個の大型コンデンサではなく並列にした複数個の小形コンデンサにした方が都合が良かったりします。また、同じ容量なら複数個のコンデンサを並列にした方が性能的に有利なことも多いからです。

これで、抵抗とコンデンサの値の計算のやり方がわかりました。このあたりの知識はたいへん基本的ですから、繰り返し繰り返し練習するようにしてください。この辺でもたもたしていると、本当の設計のところでのお楽しみが半減してしまいます。


手持ちの部品で希望する容量値が得られない時

コンデンサ容量は、回路の場所によって正確かつある希望する値のものが欲しいケースと、だいたいある値の範囲であれば足りるケースとがあります。前者の代表的なケースは、PHONOイコライザにおけるRIAAイコライジング回路で使用するコンデンサです。

NF型PHONOイコライザの場合、イコライ素子とし最低でも2個のコンデンサを使いますがその値はたとえば「0.0022μF」と「0.0082μF」という風になります。0.0022μFの入手は容易だと思いますが、0.0082μFが店頭で見つからないことあります。このような場合、入手容易な0.0068μFと0.0015μFを並列にすることで0.0083μFにできるのでほぼ希望値を満足することができます。

コンデンサを並列にした場合は、すべてのコンデンサに同じ電圧がかかるので、耐圧はみんな同じものが必要です。コンデンサを直列にした場合は話は厄介です。コンデンサは名目上は直流は流れませんが、実際には微量の電流が流れることがあります。この値はまちまちなので直列になった2個のコンデンサに電圧が1/2ずつかかるという保障はありません。従って、複数のコンデンサを単純に直列にする場合は、すべてのコンデンサが耐圧を満足している必要があります。

特殊なケースとして、電源電圧が600Vあるようなアンプでは、一般に入手容易な電解コンデンサの耐圧は450Vか500Vどまりなので、電源のリプル・フィルタに使うコンデンサは350V耐圧か400V耐圧のものを2個直列にして耐圧を稼ぎます。この場合、それぞれのコンデンサに均等の電圧がかかるように、コンデンサごとに680kΩ1/2Wくらいの抵抗を並列に抱かせます。こうすることで、2個のコンデンサにかかる電圧を強制的に300Vにしてやります。但し、この手はコンデンサと並列に抵抗を入れて少々の電流が流れてもかまわない電源回路くらいしか使えません。


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