私のアンプ設計マニュアル / オーディオの基礎編
入出力インピーダンス (考え方と設計)

実機における出力インピーダンスと入力インピーダンスの研究

材料として以下の5機種を使って説明します。1台目(A1〜A3)は、LUXの歴史的に有名な真空管式プリメインアンプでSQ38FDです。このアンプはPHONOイコライザ部とプリ部とメインアンプ部の3つのアンプで構成されているので、それぞれを切り離した考えます。2台目(B)は、本サイト掲載の真空管式の差動ラインプリアンプです。3台目(C)は、レコーディング機材としてポピュラーなAVID(旧Digidesign)のMBOX2オーディオインターフェースです。プロ業務の補助システムとして使うことができるような本格的な入出力機能を持ちます。4台目(D)は、おなじみiPod nanoです。

IDA1A2A3BCD
ModelSQ38FDSQ38FDSQ38FD6DJ8差動ラインプリMBOX2iPod nano 4th gen
メーカーLUXMANLUXMANLUXMAN本サイトAVIDAPPLE
分類PHONOイコライザ部プリアンプ部メインアンプ部プリアンプオーディオインターフェースモバイルオーディオプレーヤー
方式真空管真空管真空管真空管半導体半導体
入力インピーダンス47kΩ(PHONO入力)200kΩ(ライン入力)250kΩ50kΩ(ライン入力)13kΩ(ライン入力)なし
出力インピーダンス1kΩ(REC出力)1kΩ(プリ出力)0.1Ω以下(スピーカー出力)4kΩ(プリ出力)50Ω(ライン出力)5.5Ω(ヘッドホン出力)
100Ω(DOCK出力)
適正負荷インピーダンス
(推定)
100kΩ以上(REC出力)100kΩ以上(プリ出力)4/8/16Ω(スピーカー出力)40kΩ以上(プリ出力)600Ω以上(ライン出力)8Ω以上(ヘッドホン出力)
数kΩ以上(DOCK出力)


A1. SQ38FD PHONOイコライザ部

カタログ上の入力インピーダンスは50kΩです。実際の回路を見ると82kΩと150kΩが並列になっているので、53kΩということになります。これはレコードプレーヤについているMMカートリッジが47〜50kΩ負荷で使うことが規定されていることから、PHONOイコライザアンプの入力インピーダンスは一律に約50kΩと決まっているのです。MMカートリッジの性質として、50kΩよりも高いインピーダンスで受けると高域側にピークができてしまうし、低いインピーダンスで受けると高域が減衰してしまいます。

・PHONOイコライザの入力インピーダンスは50(47)kΩ固定という決まりがある。
カタログの録音用出力の項目に、出力インピーダンス:2kΩという記述があります。録音出力端子の出力インピーダンスは、つないだソース機材の出力インピーダンスと同じになりますからここに書いてある2kΩとは一体何のことかと思いますね。ここではPHONOイコライザ部出力インピーダンスが記載されています。PHONOイコライザ部は12AX7を使っていますし、回路の性質上、出力インピーダンスは周波数によって一定ではありません。そこのところは割り切って2kΩという値を選んだのだと思います。PHONOイコライザ部は100kΩ以上の高い入力インピーダンスで受けてやってやっと正常な動作、正確な周波数特性になります。SQ38FDの録音出力端子にテープデッキをつなぐと、テープデッキの入力インピーダンスも負荷になってしまうのでPHONOイコライザ部は設計どおりの特性が得られなくなるのですが、そこのところは目をつぶったようです。

・PHONOイコライザの出力インピーダンスは録音出力に影響を与える。


A2. SQ38FD プリアンプ部

ラインの入力インピーダンスは、カタログ上では200kΩとなっています。SQ38FDのPHONOイコライザ部は、12AX7という高内部抵抗の真空管を使っているのですが、12AX7という球は200kΩ以上の高い負荷インピーダンスで受けてやらないとまともな動作をしません。ですから、ラインの入力インピーダンスは200kΩ以下にするわけにはゆかないのです。

・プリアンプのラインの入力では、どんなソース機材をつないでも問題なく動作するように、高めの入力インピーダンスにしておくのが基本。
プリアンプ部の出力にも12AX7が使われていますが、出力インピーダンスは1kΩと非常に低い値が書かれていたと思います。ライン出力部の12AX7には多量の負帰還がかかっているので60kΩ以上ある内部抵抗も負帰還のおかげで1kΩ程度まで下がっているのでしょう。しかし、内部抵抗が1kΩであるからといって100kΩ以下の入力インピーダンスのメインアンプをつないでいいというわけではありません。事実、SQ38FDのメインアンプ部の入力インピーダンスは250kΩという高い値です。

・出力インピーダンスが1kΩでも、それよりもはるかに高い(100kΩ以上)インピーダンスで受けなければいけない場合がある。

A3. SQ38FD メインアンプ部

メインアンプ部の入力インピーダンスはカタログには記載がありませんが、回路図を見ると250kΩのボリュームが使われており、その250kΩがそのまま入力インピーダンスを決定しています。250kΩという値は、いまどきの常識からすると1桁高い値ですが、1970年当時はこれくらいが当たり前でした。

・メインアンプの入力インピーダンスは時代とともに低くなってきている。

入力インピーダンスはどうやって決まるか


出力インピーダンスはどうやって決まるか


出力インピーダンスに関する誤解

このアンプのプリアンプ部は独立して使うことができますが、プリ出力


私のアンプ設計マニュアル に戻る