トラブルあるある
トランジスタ式ミニワッター編

電源回路の単体テストで、ACアダプタの電圧がおかしい

本書、6-6 ACアダプタの電圧が低い(102ページから)。


電源回路の単体テストで、トランジスタが壊れたかもしれない

トランジスタ式ミニワッターの電源回路のトランジスタを壊してしまうミスはかなり多いようです。その原因は、テスト時に測定しようとしてテスター棒が滑ってしまった、電源のコンデンサの極性を間違えた、ハンダ不良でブリッジが出来ていた・・・いずれもありがちなことです。このミスが起きると疑似プラスマイナス電源のトランジスタが破壊します。

トランジスタの生死の判定は以下の要領で行います。

トランジスタの破壊には、ショートモードとオープンモードとがありますが、ほとんどはショートモード破壊です。回路に取り付けたまま、Ωレンジのテスターをあてて3本足のどれか2の間がほぼ0Ωだったら、間違いなく壊れています。何とか動作している場合は、ベース〜エミッタ間電圧を測定して、


リレーの12Ωの取り付けミス

12Ωの取り付け場所を一列間違えるミスが多いです。リレーONと共に過電流が流れるので、ACアダプタの保護回路が動作してしまいます。せっかくのリレーによる遅延動作が機能しません。


220Ωのショート

ハンダ・ブリッジなどが原因で、電源回路の220Ωがショートすると、電源のトランジスタに過電流が流れて熱破壊します。マイナス電源側のアルミ電解コンデンサの極性を逆に間違えても、同様の結果になります。


出力段のアイドリング電流が多い/少ない

必ずしもトラブルとは言えません。アイドリング電流値は周囲の温度条件でどんどん変化します。バイアス用のダイオードの温度やばらつきによっても変化します。記事中のデータは、基板をケースに入れて、通電後、2時間を経過して基板の温度が安定した時の物のものです。

アンプの各部の電圧が逸脱することなくバランスが取れていれば、アイドリング電流値が少々はみ出ていても大丈夫です。半導体アンプの動作が異常な時は、回路図中のどこかの電圧が明らかに逸脱するもんです。




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