大人の自由空間
ブレッド・ボード
デザイン

1台目の実験アンプは、ブレッド・ボード式と呼ばれる古典的な様式にまとめてみました。この方が実験アンプとして部品を交換したり測定がやりやすいためです。いつものお決まりのシャーシのスタイルではなく、ちょっと気分を変えてみたかったのも理由のひとつです。ブレッド・ボード式というのを言葉で説明するのも面倒なので、画像をを載せました。ご覧のとおりです。ほとんどスケルトン状態ですが、これはこれで面白いと思います。


実装

ブレッド・ボード式は、真空管ラジオやアンプの黎明期の金属シャーシがまだ登場していない時代に普及した形式です。当時は、真空管ソケットをはじめとするあらゆる部品が、木の板に取り付けて配線するようなデザインをしていました。しかし、現代の真空管ソケットも電源トランスも端子類も、ブレッド・ボードへの実装など全く想定していません。従って、今の時代にブレッド・ボード式で実装しようとすると、かえって面倒くさいことをしなければなりませんが、それはそれで工夫を伴う楽しい作業です。

真空管ソケット

長さ20mm、内径4mmのスペーサと長さ30mm、径3mmのタッピング・ネジで取りつけました。長さ25mm、径3mmのタッピング・ネジならどこにでも売っていますが、長さ30mmとなると大型のホームセンターでないと置いていないことがあります。真空管ソケットを取りつけてしまってからでは配線できませんので、取りつける前に真空管ソケットに必要なすべての線を1本1本半田づけしておきます。

電源トランス

長さ30mm、内径4mmのネジ穴を切ったサポータを4本用意します。これを電源トランスの4個所の固定ネジ部にねじ込みます。ボードに内径4.5mmの穴を貫通させ、下側から4mmビスで取りつけます。この時も、電源トランスを取りつけてしまってからでは配線できませんので、取りつける前に電源トランスに必要なすべての線を1本1本半田づけしておきます。

※スペーサ、サポータは、秋葉原でしたら、ネジの西川(西川電子部品、03-3251-8736)ですべて揃います。

出力トランス

使った出力トランス(ノグチ PMF-25P)の構造はブレッド・ボードにぴったりです。しかし、いきなり取りつけると、高さが電源トランスと合いません。電源トランスだけ妙に高くなって格好悪くなってしまうのです。そこで、出力トランスには真空管ソケットと同じ長さ20mm、内径4mmのスペーサをはかせました。出力トランスの下に空間ができたので、5Pラグを2個入れて、出力トランスからのリード線をつないでいます。

スピーカ端子

いちばん安い陸軍ターミナルを使いました。陸軍ターミナルは、下側に4mm径のネジになっているので、ここに長さ15mm、内径4mmのネジ穴を切ったサポータをねじ込み、ボードの下側から4mmビスで留めました。ほかにもいろいろな取りつけ方法があると思いますので、工夫してみてください。

入力端子、ボリューム、電源、スイッチ

入力端子は、右の画像の左端のものを使いました。スペーサをかませば取りつけは簡単です。ボリュームと電源スイッチの取りつけは、入力端子の黒い樹脂板を流用しました。入力端子を裏側から大形ニッパで破壊すると、端子部分と板とを簡単に分離できます。この板に開けられた穴の内径がボリューム取りつけ穴とぴったり同サイズなのです。2個ありますから、1個をボリューム用、もう1個を電源スイッチ用にしました。AC100Vを扱う電源スイッチと微少信号を扱うボリュームとが1cmの距離で隣接するわけですが、案外、ハムは引かないものです。


全体のレイアウト


アンプ部全回路図

定電流部全回路図

電源部全回路図

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