9.K.ameさんの申し入れ


K.ameさんについて

NiftyServeのなかに真空管の話題のフォーラムがいくつかあることは、本ホームページ怪しい集会でもご紹介しました。K.ameさん(NiftyServeでのハンドルネームです)とは結構長いお付き合いをさせていただいておりまして、この方は還暦を迎えていよいよパワフルに勉強怠らずアンプ作りに励んでいらっしゃる方です。どんな駄球でも、洋食屋の料理長がごとき手際で食える料理にしてしまう達人といってもいいでしょう。

Big Offer

シャーシもすべて素材から自作してしまうのですが、その達人のK.ameさんから「ぺるけさんのアンプのシャーシを作ってさしあげましょう!」などというありがたき申し出をいただきました。まさに「Big Offer」であります。軟弱なる私めは、一も二もなくK.ameさんのご厚意に甘えることとあいなりました。

どんな構成にするのかは、K.ameさんにすっかり読まれていまして、K.ameさんは実に私が何も言わないうちに、図面を引いてしまっていたのでした。

97/07/23

K.ame「先日空想したもので、型紙は作って見たんですが・・・・
1.PTはタンゴのST−220を想定。スタビロに多くを流せないか?
2.スタビロは2本で、パワー管のみ。6AU6はツェナーダイオードでどうか。
3.ケミコンは径35mmが1本、残りはOUTPUTの下辺たりに適当に・・・
4.放熱穴は全部で32ヶ所
  POWER管はソケット回りに6〜7ミリ穴を各6個、6AU6の間に6ミリを2×3で計6個
  ケミコンとスタビロの間に6ミリを2個
5.FUSE、OUTO-LET、CORD-CONNECTERはどこが良いのか?
6.POWERSW、INDICATERLAMPはどこ?
7.出力端子の場所と数
8.入力ジャックの場所
9.レベル調整VRは不要か?、30mm以下であれば可能
10.裏蓋は省略
11.塗装はどうするか、私がやるとシルバー梨地もどきに成ります。」

97/07/25

K.ame「色々空想していますが、6B4Gに同じ配置で、PTを右奥に置く事を考えました。アウトプットトランスからのリード線が長く成りますが、大勢に影響無しと考えました。それと場合によっては、出力ターミナルの奥行きを多少切り詰めなければだめかもしれません。」

K.ame氏によるシャーシデザイン案は下のようなものでした。

ぺるけ「ぐはっ、球が12本かいな。ケミコンは、マロリーの40+20+20+20/450V一本で済ませるか、二本にするかまだ決めかねています。それにしても、球が12本になっちゃうんですねえ。きついきつい。VR75やめて、ツェナーダイオードで妥協しちゃおうかな。」

97/07/26

K.ame「1.配置はどうしましょうか?
  私の考えたものは、如何でしょうか?。
  シャーシーの大きさは、30cm×15cmで線引きして有ります。
  もし、これで良ければ、すぐにでも穴開けに入りたいと思って居ますので
  次の事を連絡してください。
2.ケミコンの穴は、30mm穴に44mm間隔のビス穴で良いのでしょうか?それとも48mm?
  ケミコンマロリーの、現物の持ち合わせが無いので、穴開け寸法を連絡
  してください。ベ-クライトのブラケットを介して取り付けるタイプですよね。
3.パワートランスは決まっていますか?。
  取り敢えずST−220で線引きは終わってます。
4.スタビロは余り意味が無く場所を取るだけだから、折角特性まで取ったが、
  ここでは、諦めるのでしょうか?。ですよね。
5.ケミコン2本でやりましょうね。どうせ左右にリップルフィルタを分けるんでしょうから?
  スタビロ無しだとスペースデザイン上2本がよいかとも思います。
6.パネル配置は、どのようなのがお気に入りでしょうか?。
  今度は、FUSEを付けるでしょうね。
  電源スィッチ、PL、も付けますよね。
  PTは右奥がお気に入りでしょうか?。それとも左奥でしょうか?。
7.塗装はどうしましょう、ぺるけさんのお気に入りの塗装をご自身で
  なさいますか?。」

ぺるけ「ようやく、決心がつきました。
 (1)6AU6+6BQ7Aぺるけドライブ・・・6BQ7Aは他の球に変わるかも
 (2)6AU6のSgは単なる抵抗による分流で供給
 (3)6AU6の共通カソードは定電流ダイオード
 (4)6F6のSgだけだったら抵抗による分流でいいけど、・・・6L6まで手を広げるとしたら2SD799か なあ
 (5)6F6の電源電圧は305〜310V・・・バイアスが20Vくらい、Ep=282V、OPTでのドロップ
てなわけで定電圧放電管は使わないことに。PTはST-220なら乗るでしょうか。タムラという選択肢もありますが。ケミコンはやはり2個です。前回のK.ameさんのメールの内容とほとんど同じ(つまり読まれてた)。」

97/09/07

ぺるけ「PTはやはりタンゴST-220にします。いろいと考えました。タムラだと確かに色のバランスが良いし、見栄えもしそうですが、タンゴの伏型の方が周囲に放熱穴がとれて具合がよろしいかと。

ケミコンは、外被からでっぱりが出ていて、いきなりシャーシ穴に突っ込んでカシメるタイプですが、こうするとE端子兼用の外被がいきなりシャーシに落ちてしまいます。ハムの原因になるので、これを避けるために差込式のベークライトのあて板がセットになっており、これを使いたいのです。このベーク板は、角がまるくなったひし形をしており(つまり、真空管ソケットのような形)、両端にネジ止め用の穴が各1個(計2個)あいております。

ケミコンをいきなりシャーシに突っ込む場合は、28径の穴1個でこと足りますが、上記のようにする場合は、32〜33径の穴1個と、その周りに3mmの穴2個をあけて使うことになります。サイズは以下のとおりです。・・・以下略」

97/09/08

K.ame「決心が付きましたか。いや、娘さんと、奥様の言で秋の空かと思ったんですが、やはり足を洗えないんですね。さて、ケミコン、PT了解です。

< <<が、上記のようにする場合は、32〜33径の穴1個と、その周りに3mmの穴2個
<<   <---28--->     <---E端子の最大径
<<  <--32〜33-->     <---必要な穴径
<<  <------46------>   <---2つある取り付け穴(3mm)の間隔
<< <--------56-------->  <---ベークライトのあて板の最大サイズ

ケミコンの穴開けはφ32〜33mMでと間隔46mM行きます。

配置は下記で良いですか。
*以前に送った物に一部修正して有ります。
  ・OUTPUTとINPUTを入れ替えた、(PTの端子台にターミナルが当たる為)」

97/09/08

K.ame「シャーシーの深さに注意

お作りするシャーシーでは2.5mmの余裕しか有りませんからリード線の半田付けを端子の上に盛り上げるような事が出来ません。金属性の裏蓋を付けたとき接触し、短絡の恐れが有ります。端子を巻き込む様半田付けするとか、裏蓋の端子部分を絶縁板にするとか、ワッシャーなどを追加してPTを持ち上げるとか対策が必要です。

端子板の支えが他の部品の取り付けの邪魔をします。INPUT端子に変更しましたが、これも予めシールドワイアーを付けて置かないとPTを付けた後では、付けずらく成ります。OUTPUTとINPUTを入れ替えた、(PTの端子台にターミナルが当たる為)

シャーシーの端に取り付けるとき、取り付けネジが回しずらく成ります。シャーシーコーナーの1本はボックススパナーが要ると思います。これは、他の物でも同じ様な事に成りますが、(コンパクト型の宿命?)」

97/09/24

K.ame「シャーシーの天板の穴開けが終了しました。結構穴だらけと言う感じです。特にPTの穴が大きく感じます。2時頃から始めて4時前に終わりましたから、ざっと2時間。久しぶりにドリル作業をやったので結構疲れました。一服してこれを書き始めました。あとは、入出力関係で終わりです。

放熱用穴は、6F6周りが6個×4本分、6AU6相互間に計6個で合計30個。その外、下記の穴を追加で開けて置きました。

 Tr1.2はB電源フィルタ用。Tr3.4は定電流用。Tr5.6はSgのドロッパ用。
   保護抵抗はアウトプットの止めネジを利用してLラグを付け、定電流基準抵抗と共に
   この近くに置くと発熱バランスの点で宜しいかと。
     (Trの損失は全て1個1W以下であまり問題に成らないか)
     (損失の推定、Tr1.2 5V×0.1A2回路=1W、Tr3.4 10V×0.1A2回路=2W
     Tr5.6 50V×0.013A2回路=1.3W、保護抵抗(150オーム)15V×0.1A2回路=3W)
 SW1.2は6F6/6V6と6L6のSg電圧切り替え用小型トグルスイッチ取り付け用。


このあと、いろいろありまして(後日レポートしますね)、K.ame氏謹製シャーシは1998年1月1日に、我が家に到着したのでありました。

97/12/31

ぺるけさん、今日は。

K.ame謹製の6F6/6V6/6L6用シャーシを先程くろねこ宅急便で発送しました。
元旦に配達されるそうですからお受け取り下さい。
今日はお天気が良かったので、お昼頃暖かく成った頃を見計らって塗装をしました。


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