Mini Watters
差動PPミニワッター
DCバランス半固定抵抗器の取り付け法改善
差動PPミニワッターの実装上の弱点のひとつにとDCバランス調整がやりにくい、というのがあります。半固定抵抗器が横向きであるためにドライバーを斜めに差し込まなければならないからです。もうひとつの問題は、シャーシをひっくり返して底板をはずさなければならないことです。本レポートでは、この2つの弱点について改善を試みます。

<改善方式1:半固定抵抗器を横型から縦型に変更>

下の画像は、製作当初の実装の状態です。DCバイアス調整用の2個の半固定抵抗器(青色)は横型です。調整ネジの頭が横向きなので、ドライバーとの角度が合わず回しにくいのが難点です。縦型は平ラグになじまないと思って横型を採用していましたが、工夫すれば縦型でもなんとか取り付けられるようなので縦型に変更してみました。

←改修前

下の画像は、DCバイアス調整用の2個の半固定抵抗器(青色)を縦型に交換した様子です。3本足の両側は根元から1〜1.5mmのところから左右に広げて、先端もひっかかるようにほんのちょっと内側に曲げてあります。足は十分な長さがないので実際の平ラグの穴と相談しながらの加工になります。

←改修後

必要部品:
□25回転半固定抵抗器 VR10縦 選別 160円×2=320円(6DJ8差動PP)
□25回転半固定抵抗器 VR100縦 選別 160円×2=320円(6N6P差動PP、6350差動PP)


<改善方式2:シャーシをひっくり返さない実装方法>

シャーシをひっくり返さないで普通に動作させた状態でDCバランスを取るには、2つの実装方法が考えられます。

(1)シャーシ上面または側面に穴を開けてそこにパネル取付け型の可変抵抗器を取り付け、平ラグと可変抵抗器を線材でつなぐ。
(2)平ラグに基板実装用の縦型の半固定抵抗器を逆さまに取り付けて、シャーシ上面に開けた穴からドライバーを差し込んで調整する。

パネル取付け型は抵抗値が500Ω未満のものがほとんどないのと、結構かさばるので取り付けるスペースが確保できません。極小のものが入手できたとしてもかなり高価です。しかし、基板実装用の縦型の半固定抵抗器ならば取り付け可能です。但し、足の長さがぎりぎりなので細かい加工になります。この時、半固定抵抗器と並列に入れる2個の抵抗器は、平ラグ端子の内側の穴に移さないと具合が悪いです。

平ラグを取り付けるスペーサは最低でも12mmの高さが必要で、私は15mmのものを使いました。シャーシ上面にはドライバーを挿入するための穴が必要です。穴は実機にて位置決めしてください。

テスター棒のための端子(テストピンジャック)はシャーシ側面に出すことにしました。高温になる出力段の3W型カソード抵抗にビニル線が当たらないように、下寄りの場所を選んでいます。


(画像は7119差動PPミニワッターのものなので、実装部品が6N6Pや6DJ8とは異なっています)

必要部品:
□25回転半固定抵抗器 VR10縦 選別 160円×2=320円(6DJ8差動PP)
□25回転半固定抵抗器 VR100縦 選別 160円×2=320円(6N6P差動PP、6350差動PP)
□スペーサ P-15mm 40円×3=120円
□テストピンジャック(チップジャック黒) 45円×4=180円


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