PCとダウンロードデータを使ってテスト信号を作る


以下の表中の周波数をクリックすると、正弦波データがダウンロードされてお持ちのPCで再生されます。

0dBFSとは、デジタルフォーマットをめいっぱい使った最大振幅のことです。CDなどにデジタル媒体に記録できる最大振幅を基準(0dB)とする考え方です。フォルティシモでも0dBFSを超えることはありません。通常のパソコンのヘッドホン端子の場合、0dBFSは0.3V〜1Vの信号レベルで出力されます。USBなどでつないで使うオーディオインターフェースの場合は、0.7V〜2.5Vくらいが出力されます。このデータをiPodに入れて再生すると、0dBFSで約1Vが出力されると思います。

デジタルプレーヤの多くは0dBFSを正確に出力することができず、ほんの少しですが波形が上下に潰れて信号レベルが下がります。-3dBFS以下であれば正確に出力されます。そこで、ご用意したサンプル信号は、冒頭の1kHzは0dBFSですが、5Hz〜21kHzについては0dBFSの半分のレベルの-6dBFSにしてあります。

No.周波数レベル長さモード
1.1kHz0dBFS30secステレオ
2.5Hz-6dBFS20secステレオ
3.7Hz
4.10Hz
5.15Hz
6.20Hz
7.30Hz
8.50Hz
9.70Hz
10.100Hz
11.150Hz
12.200Hz
13.400Hz
14.1kHz
15.2kHz
16.5kHz
17.7kHz
18.10kHz
19.15kHz
20.18kHz
22.20kHz
23.21kHz

注意点その1・・・PCの音量設定は最大(MAX)にする

PC側の音量設定が絞られていると十分に大きな出力信号が得られません。また、そのPCの真の出力信号レベルがわかりません。このデータをiTunesなどを経由してiPodに入れて再生した場合も同様です。
注意点その2・・・左右のレベルが揃うとは限らない
PC付属のヘッドホン端子などのアナログ出力はかなりいい加減に作られています。私が使っているLenovo製のノートPC「ThinkPad E430c」で実測してみたところ、0dBFSの場合、左チャネルが0.48Vで右チャネルは0.54Vでした。
注意点その3・・・PCのアナログ出力端子が使えないことがある
私が使っているLenovo製のノートPC「ThinkPad E430c」の出力の歪み率を測定しようとしたところ歪率計が受け付けませんでした。波形を見てみるとデジタルノイズだらけで原型をとどめていない酷いものでした。PCのアナログ出力に程度の悪いD級アンプが使われているようです。古いPCのアナログ出力は高品質なものが結構ありますが、2010年以降に製造されたPCのアナログ出力はこのようにダメダメなことがあります。iPodはかなりまともな波形で出力してくれます。
注意点その4・・・フラットネスはPCのオーディオボードやオーディオインターフェースの性能で決まる
このデジタルデータは5Hzから21kHzまで正確にフラットですが、アナログ出力とした場合にどれくらいフラットであるかはPCのオーディオボードやオーディオインターフェースの性能で決まります。私のノートPCのヘッドホン出力では、フラットどころか周波数ごとに出鱈目な出力電圧が現れました。下図は愛用の自作トランス式DACの周波数特性です。10Hz〜10kHzくらいまではフラットネスが得られていますが、10kHzから上では減衰が生じています。

そこで、お持ちの測定環境の素の周波数特性を測定して何Hzでどれくらい減衰するか記録しておき、アンプなどを測定した時の結果を補正してやれば結構必要的な測定値が得られますの工夫して使ってください。

窮余の策・・・CDRに焼いて手持ちのCDプレーヤで再生する
当サイトのデジタルデータは、マウスの右クリックでダウンロードできます。ダウンロードしたデータをiTunesなどに取り込んでからCDRに焼けば、テスト信号CDが作れます。これをお持ちのCDプレーヤで再生すれば、テスト信号として使えます。そこそこ性能の良いCDプレーヤであれば、5Hzから21kHzまでかなりフラットで出力されます。


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