12AU7/ECC82 特性実測データ


真空管アンプの電圧増幅回路の常連に12AX7/ECC83がありますが、これに負けず劣らずよく登場するのが12AU7/ECC82です。特徴は、増幅度が低い、内部抵抗が低い、ある程度のプレート電流が流せる、ヒーター電力が小さくて済む、といったところです。

この種の特性(増幅度が低く内部抵抗も低い)を持った球のルーツは、GT管の6C5や6J5にさかのぼることができます。6J5が2ユニット封入されたのが6SN7GT(後にMT化されて6FQ7/6CG7になる)ですが、6C5をMT化したのが6C4(厳密には特性は若干異なります)、6C4が2ユニット封入されたのが12AU7で、欧州名はECC82です。

6C4と6J5、あるいは12AU7/ECC82と6SN7GT(6FQ7/6CG7)ではどこが違うのかというと、

といったあたりでしょうか。 以下の表は、12AU7ファミリーの一覧です。数値については、メーカー各社によって若干の違いがありますのでご了承ください。内部抵抗(rp)が7.7kΩとなっていますが、これは明らかに誇大広告というべきで、せいぜい9kΩ〜10kΩです。


Siemens製ECC82

測定をさぼったので、グリッド・バイアス電圧が「-3V」「-5V」・・・の測定データが欠けた歯抜けのグラフになっていますので注意してください。2本の球を測定したので、それぞれ色(黒・緑)を分けてあります。

Siemens製ECC82は、プレート電流が2mA以下の領域での特性曲線の立ち上がり具合が6FQ7並みにすぐれています。μ値はカタログ・スペック以上の高い値を持っていますので、厳密な意味でこれはオーバースペックなのではないか、とも思えます(うれしいことなんですがね)。

12AU7という球の欠点として、他の電圧増幅管(12AX7/ECC83、6FQ7、6DJ8)に比べて、直線性がすこし悪く、同じ出力電圧を得た時の2次歪みが多くなっていますが、このSiemens製ECC82ではこの欠点がだいぶ改善されています。


NEC製12AU7A

こちらも、測定をさぼったので、グリッド・バイアス電圧が「-3V」「-5V」・・・の測定データがありませんので注意してください。

NEC製12AU7Aのμ値は、カタログ・スペックどおりで、6FQ7よりも1割すくなくなっています。プレート電流が2mA以下の領域での特性曲線がやや寝ていて、立ち上がり具合がもうひとつという気がしますが、これが12AU7本来の特性です。

あれこれ細かいことを書きましたが、一見してお気づきのとおり、12AU7ファミリーはどれも特性がとても良く揃っています。


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