ウィーンのコンサートガイド
Webで楽しむライブ


ウィーン国立歌劇場Live Streaming

<Live Streamingとは>

ウィーン国立歌劇場が2013年10月から開始したインターネットを使ったサービスで、オペラやバレエのライブが居ながらにして楽しめるシステムです。簡単にいうと、実際に上演されているオペラやバレエの音と映像をリアルタイムでインターネットに乗せて世界中で楽しめるしかけです。無編集のライブですので決められた時刻に1回しか放送されません。

その第一回は2013年10月27日に上演されたオペラ「ばらの騎士」で、第二回は2013年11月27日に上演されたオペラ「魔笛」でした。ウィーン国立歌劇場の関係者からの情報によると、年間に上演されるのが40〜50タイトルくらいあるので、すべてのタイトルを1年に1回ずつLive Streamingで公開するのがゴールらしいです。ということはシーズン中はほぼ毎週1つ公開される計算になります。はたして、これだけの回数を公開できるのかどうかは、今後のなりゆき次第のようです。(2013.12.2)


<配信日・時刻と時差>

ウィーンと同じ時間帯の地域では、上演と同時(リアルタイム)に観ることになりますが、時差がある地域ではタイミングをずらして配信されます。ウィーンで19:00に開演されるオペラは、どの国で観ても19:00開演となるのです。

2013年12月31日、大晦日の19:00には、ヨハン・シュトラウスのオペレッタ「こうもり」が開演しましたが、日本では翌日の2014年1月1日の19:00開演でした(右の画像)。JSTという文字が見えますが、これは「日本標準時」という意味です。

このシステムは決まった日付・時刻に1回しか配信されませんから、配信日時にご自分の予定が大丈夫かチェックする必要があります。


<Culturall会員登録、料金と支払い>

Live Streamingの料金は一律14ユーロですが、オンデマンドなどサービスの内容によっては異なる金額もあります。

予約および支払いはウィーン国立歌劇場のチケット予約を同じCulturall(「クルトゥラル」と読みます)というシステムを使ってクレジットカードで支払います。Culturallは、ウィーン国立歌劇場だけでなくフォルクスオパーほかさまざまな劇場のチケットを発売前から予約できるシステムです。使用できるクレジットカードは、「AMEX」「Diners」「MasterCard/EuroCard」「VISA」の4種のみで「JCB」は使えません。

Culturallの会員登録および使い方についてはこちらのページ「Culturallガイド(只今工事中)」を参照してください。なお、クレジットカード情報は購入の都度入力するので、会員登録時には必要ありません。

購入決済が済むと、ウィーン国立歌劇場Live StreamingのWeb画面にアクセスした時に、すでに購入済のメッセージとあと何日何時間何分で開始するかが表示されるようになります。別のPCからアクセスした場合でも、ログインすればちゃんと表示されますので、購入したのと異なるPCであっても観ることができます。


<PCなど機材の接続>

インターネット配信のシステムですので、インターネットが使用できるPCがあれば観ることができます。

大きなスクリーンで観るためには、(1)大型のモニターがついたPCをで観る、(2)PCと大画面テレビをつなぐ、の2つの方法があります。PCと大画面テレビのつなぎかたにはさまざまな方式があり、ケーブルが異なり、そして画質も異なります。

2010年頃に製造されたPCには、映像出力にS端子がついているものがあります。テレビ側にもS端子がついていれば接続が可能です。しかし、S端子にもさまざまな規格があり、規格が合わないと映像が表示されません。2011年以降に製造された映像機器では基本的にS端子は廃止されています。

きれいな画質で観るためには、HDMI端子がついたPCおよびテレビを用意し、それらをHDMIケーブルでつなぎます。この方式がテレビなどで普及しはじめたのは2010年以降のことで、PCにHDMI端子がつくようになったのは2012年以降です。従って、2011年以前に購入したPCのほとんどはHDMI端子がありません。

PCの映像出力には、15ピンのVGA端子が標準でついています。VGA端子は2000円程度の簡単なアダプタを使うことでHDMI端子に変換できます。この種のアダプタは、amazon.comなどでたくさん売られています。

(2014年以降は従来型のアナログの映像端子/ケーブルが禁止あるいは廃止になります。新旧の機材が混ざった環境では相互に接続できないという問題が生じますのでご注意ください)


<Live Streamingの舞台裏>

ウィーン国立歌劇場では、2012〜2013シーズンから、今まさに上演中のオペラやバレエが劇場の外の広場で観られるシステムを作りました。下の画像は、4月にウィーンを訪れた時のもので、チャイコフスキーのエフゲニ・オネーギンの上演中の様子です。

劇場のケルントナー通り側の広場に椅子が並べられていて、誰でもタダで座って観ることができます。ウィーンの人々は、飲み物やひざ掛けなどを持って集まってきて、座席を確保して開演を待ちます。劇場の中と同じようにプログラム売りがやってくるので、ここでプログラムを買うこともできます。このシステムを使えば、容易にインターネットでのLive Streamingができるというわけですね。


オーストリア放送協会(ORF)のラジオ放送

ORF OE1

ORFのラジオ放送は、終日、すべてに放送をインターネットで聞くことができます。これはこれでなかなか面白いです。日本のFM曲と根本的に異なるのは、とにかくクラシック番組が多いことと、そうでない番組においてもクラシック音楽がふんだんに使われていることでしょう。朝一番の「Guten Morgen O"sterreich」という番組からして、クラシック音楽で聞きやすい曲が次から次へと流れますのでBGMには最適です。楽友協会などで行われたコンサートだけでなく、ヨーロッパの各都市で開かれたコンサートが放送される番組もあります。日本では考えられないことですが、オペラネタを中心に扱った番組もあります。

ORFのHomePageのメニューの「Musik」をクリックすると、本日の音楽関係の放送内容が出てきます。さらに番組の詳細をみると、オンエアされたすべての楽曲の作曲家、曲名、楽章、演奏者、演奏時間、ソースがリストされるところなど、流石、音楽を大切にしている!という感じです。。


<ライブ・・・Live>

Topページ右上から「Live」を選択すると、今放送中の番組を聞くことができます。ORFは良い音楽ソースをたくさん持っているようで、音質も非常に良いです。もちろん、ウィーンフィルのライブの放送もあります。しかも、Digital 5.1 Surroundで。


<過去1週間分のアーカイブ・・・7 Tage O1>

日本で聞くならこのアーカイブの方が使いやすいです。Topページ右上から「7 Tage O1」を選択すると受信画面がポップアップします。Heuteというのは今日のことで、左には前日、前々日という風に過去に1週間までさかのぼって、すべて番組を聞き直すことができます。番組名をクリックするとその番組の内容が表示され、右端の矢印マークをクリックすると番組の再生が始まります。1週間経った番組からひとつずつ消えてゆきます。

アーカイブにならない例外がひとつだけあります。毎年、元旦の11:00に行われるニューイヤーコンサートです。このコンサートももちろんLiveでオンエアされますがアーカイブされません。


<ウィーンフィルの定期演奏会のライブの聞き方>

特におすすめは日曜日の午前11:00からはじまる「Matinee Live」という番組で、さまざまなコンサートのライブまたは録音が放送されます。日曜日の11:00という時間設定には特別な意味があります。ウィーンフィルの定期演奏会のうち日曜日に行われるものはすべて11:00開演と決まっているからです。つまり、この番組さえ押さえておけば、シーズンを通じて日本に居ながらにしてウィーンフィルの定期演奏会プログラム(すべてではありません)を聞けるチャンスがあるというわけです。

下の画像は201年12月1日11:00に楽友協会大ホールで行われたウィーンフィルの定期演奏会のライブのアーカイブを聞いている時のものです。曲目は、ハイドンの交響曲第90番、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲(ヴァイオリン・ソロはコンマスのV.シュトイデ)、R.シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」です。

ウィーンフィルの定期演奏会の予定:

ウィーンフィルのサイト:http://www.wienerphilharmoniker.at/concerts/subscriptions-and-soirees
ムジークライゼンのサイト(日本語のリストをpdfでダウンロードできる):http://www.musik-reisen.jp/schedule/Vienna.html


<サルツブルク音楽祭>

サルツブルク音楽祭はオーストリアの夏の最大のイベントですから、そのプログラムのうちいくつかが実況放送されます。時差の関係で日本ではなかなかいいタイミングで聞くことができませんが、上述のアーカイブならばこちらの都合の良い時に聞くことができます。


英国放送協会(BBC)のラジオ放送

<BBC RADIO3>

BBCのラジオ放送は、若い世代向けのポップスなどを扱うRADIO1、すこし高めの年齢層に合わせたRADIO2、クラシックを専門に扱うRADIO3などがあります。


<プロムス>

英国のクラシックの夏の最大のイベントはなんといっても「プロムス」でしょう。ウィーンフィルはプロムスの最後のプログラムを飾る常連ですが、そのライブはBBC RADIO3で放送されます。


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