Restaurant
かをり
山下

学生の頃、関内から大桟橋に向かって歩いていた時、ふと目にはいったただならぬ雰囲気の店、それが「かをり」でした。学生には似合わない、それなりの年格好の大人のはいるレストランであることだけはわかりました。それから20数年、気になりながらも足を運ぶことなく時は過ぎてゆきました。

やがて、それなりの年格好になった今、ふと、昔見たあの不思議なレストランのことを思い出しました。どうやら今でもあの店はあるらしい。それが証拠に、百貨店のお菓子売り場に「横浜かをり」というコーナーを見かけたことがある。

妻を誘い、首都高速を横浜に向かいます。昔の記憶どおりだろうか。記憶違いだったらどうしよう。しかし、実際の「かをり」は想像していた以上に、クラシックであり、大人のレストランでした。その昔、外から眺めた時の印象の記憶に違いはありませんでした。

このレストランが、これまで長い間たくさんの人達に愛されてきた理由は、そこに何度もおとずれたことのある人なら、よくご存知だと思います。無闇に変化しない、いいものはずっとそのままである、ということの価値を実証してくれたレストランなのでありました。

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